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2015年05月09日

ヴォーンウィリアムス:ロンドン交響曲

ヴォーンウィリアムス:ロンドン交響曲(交響曲第2番)

ヴォーンウィリアムスはイギリスの作曲家です。
生涯で9つの交響曲を作曲、ロンドン交響曲は、第一次世界大戦勃発の直前の1914年の初演され、その後、何度も改訂され最終版(今回の演奏)は1936年頃完成したようです。

本当に資料が見当たらない作曲家で曲の情報もほとんどありません。
以下は、あくまで私が演奏して感じた曲のイメージです。

第1楽章(Lento - allegro risoluto)
ロンドンの夜明け、ビッグベンの鐘の音(学校の始業と終業でなるチャイムのメロディー)とともにもの憂いような静けさで始まった曲は、すぐににぎやかな街の情景へと変化します。
人や馬車が行き交うロンドンの街、世界中の人々があつまる街では中国的なメロディーやオペラ座の怪人を思い浮かべるメロディーも登場し、喧騒は工業地帯の騒音や躍動感も連想させます。
やがて都会の生活に疲れたようなけだるい静けさに変化しますが、それもつかの間、曲は現実のにぎやかな世界に引き戻され、ロンドンの活力を謳歌するように終わります。

第2楽章(Lento)
夕暮れ時、街燈に灯がともり一日の喧騒は終わりへと近づきます。疲れた頭に浮かぶのは遥か遠くの田舎の風景なのでしょうか。
押しつぶされそうな大都会の圧力の中で人々は闇の中に消えていくようです。

第3楽章(Scherzo (Nocturne) Allegro vivace)
とても賑やかなノクターン(夜想曲)。
この曲で唯一解放感にあふれた楽章と感じられます。
昼間の憂鬱さを振り払うような夜の繁華街のにぎわい、華やかな劇場の風景を描写したのでしょうか。
しかしにぎやかな街も最後は疲れたように夜の闇の中に静まり返っていきます。
私はこの曲が最もイギリスらしくて好きです。

第4楽章(Finale: Andante con moto - maestoso alla marcia (quasi lento) - allegro - maestoso alla marcia - Epilogue: Andante sostenuto)
絶望的なハーモニーで始まる終楽章。
重い足取りの壮大な行進曲風のメロディーが大都会の壮大さと重苦しさを表現したかと思うと、ガチャガチャとした雑踏がよみがえってきます。
そして圧倒的なメロディーが人を寄せ付けない世界の都を描き、この曲はいったいどうなっていくのかと思わせますが、やがてウェストミンスター寺院の鐘とともに我に返ったように静けさを取り戻し、人間の心を取り戻したかの美しく終わります。

私はイギリスの作曲家はホルスト、エルガーくらいしか知りません。
このヴォーンウィリアムスも「グリーンスリーヴスによる幻想曲」(今回、アンコールで演奏予定)くらいしか知りませんでしたが、ロンドン交響曲を聴いて、こんなに面白い曲を書く人がいたのかと驚きました。
初めて聴く方の第一印象は「色々なメロディーが入れ替わり立ち代わり出てくる、奇妙な曲」と感じる方が多いのではないかと思います。
でも、静かなメロディーのイギリスの風景や古城を思わせるような素晴らしさ。
リズミカルな場面の圧倒的な力=これぞミュージカルの原点と思わせます。
ロンドン交響曲は、イギリスらしさが凝縮された素晴らしい曲です。



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