ピアノ
最後の楽器はピアノです。
とりあえずオーケストラ関連の楽器紹介はこれで打ち止めにします。
今の日本でピアノを知らない人はまずいませんよね。
それくらいポピュラーな楽器です。
1960~70年代の高度経済成長期は
「豊かさのシンボル」として子供にピアノを習わせて、ピアノを購入したものです。
私も7歳か8歳くらいのころ、ですから1960年か61年頃にアップライトピアノを買ってもらって習っていました。ピアノはいくらやってもちっとも上手にならなかったけど、これがなかったらおそらくオーケストラとは出会っていなかったでしょうね。
ピアノの前身は、18世紀初頭に生まれた
「クラヴィコード」と「チェンバロ」でしょう。ピアノの製作が始まったのは18世紀後半ですが、折からの産業革命によって急速に進化します。これがピアノが他の楽器とは全く違うところです。そうです、
ピアノは工業製品のかたまりなのです。そしてその改良とともに
リストやショパンといったピアニストにして大作曲家と言われる時代の寵児が誕生しました。
ピアノはクラシックオーケストラの持つ音域のほぼ全てが出せるので、オーケストラの曲は、ほとんどがピアノ曲に編曲して演奏することができます。実際、オペラや協奏曲などをオーケストラの代わりにピアノ伴奏で演奏することはよくあります。ピアノという楽器が
音楽家、音楽教育者、指揮者、作曲家などの基礎となる所以でしょう。
有名なピアノの曲は? 有名なピアニストは? と言ってもあまりにも多すぎるので、これはやめておきましょう。そこでちょっと違った見方で有名な曲をいくつか考えてみました。
何といっても今一番旬なピアノ曲は、1830年にショパンが作曲した
「ノクターン第20番嬰ハ短調・遺作」でしょう。平原綾香さんが歌う「カンパニュラの恋」の原曲です。正直言って、クラシックファンとしては、このショパンの名曲をあのように軽々しく歌われることにいささか抵抗感もあるのですが、多くの人がこの曲に感動すると言うことはそれだけショパンが偉大だということでしょうね。
もう一つ、日本人のミーハーさの象徴は、フランツ・リストが作曲した6曲から成る『パガニーニによる大練習曲』の第3番嬰ト短調
「ラ・カンパネッラ」。そうです、あのフジ子・へミングさんの演奏で一躍フィーバーした曲です。
次は、モーツァルトの
「ピアノ協奏曲第21番ハ長調 K467」第2楽章。ちょっと古くなりますが1967年に作られたスウェーデン映画「美しくも短く燃え」の劇場音楽として使われました。ほんとうに涙を誘う素晴らしいメロディーです。
最後は、同じモーツァルトの
「12 Variationen über ein französisches Lied “Ah, vous dirai-je, maman” )ハ長調K. 265」。1778年に作曲されたピアノ曲は、旋律が童謡『きらきら星』として知られるようになったため、日本では
『きらきら星変奏曲』と呼ばれるようになったものです。
オーケストラの楽器紹介の最後にピアノを持ってきたのは、この楽器が1台でオーケストラに匹敵する楽器だからです。
ピアノって本当にいいもんですね~~~!!!
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