パイプオルガン

つぶやきホルン

2008年12月17日 21:52

オルガンというと、日本では足でコキコキとふいごを踏んで音を出すオルガンを思い出しますが、ヨーロッパでは、オルガンというとパイプオルガンを指します。

パイプオルガンは、教会音楽において最も重要な楽器であり、またピアノが発達する前の時代には一つの楽器であらゆる和音と音階を演奏できる唯一の楽器として、「楽器の女王」「楽器の王」と言われてきました。

パイプオルガンは風をパイプに送り、空気を振動させて音を出します。つまり、リコーダー(たて笛)に息を吹き込んで音を出すのと同じしくみで、パイプがリコーダーで空気を送り込むのに電気(昔は人力や水蒸気の力)を使うのです。

ただし、一つのパイプで出せるのは一つの音色の一つの音だけですから、最低でも数十本のパイプが必要になりますし、コンサートホールなどにある大規模なオルガンでは、数千から1万本以上のパイプを持ったものもあります。

なんで、こんなにたくさんのパイプが必要かというと、一つの音色だけで良ければ数十本のパイプで済むのですが、たくさんの音色を出そうとするとそれだけたくさんの組み合わせが必要になるのです。一つの音色をストップと言い、60ストップだと60の音色が出せるということです。トランペット系の音とか、フルート系の音とか色々な音色があります。

バッハは最も有名な「トッカータとフーガニ短調」やオルガン協奏曲などたくさんの作品を書いています。サンサーンスの交響曲第3番「オルガン付き」は交響曲の中にオルガンを取り込んだ壮大な曲です。でも、福岡のホールにはパイプオルガンがないため、この曲を演奏するときは代用品の電子オルガンに頼るしかないのが残念ですね。つい最近、北九州市の厚生年金会館ホールが廃館になりそうでしたが、市民運動で何とか廃館を免れました。貴重なパイプオルガンも守られたわけです。



 

このパイプオルガンは佐賀カトリック教会のものです。


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