ハープ

つぶやきホルン

2008年12月14日 22:49

オーケストラの楽器はパーカッションで最後といっていたのですが、
番外編の楽器はまだまだあります。

今日は、その代表格のハープについてご紹介します。

オーケストラで使用されているハープは、「ダブル・アクション・ハープ」「オーケストラハープ」「グランドハープ」などと呼ばれる、ハープの仲間では一番大きくて機能的な楽器です。

ハープ属の起源は紀元前3000~4000年ごろのメソポタミアやエジプトにまでさかのぼる、おそらく一番古い楽器でしょう。

ヨーロッパではとくに中世に広く愛好され、中でも吟遊詩人にとって重要な楽器でした。また日本語では竪琴(たてごと)と呼ばれ、あの「ビルマの竪琴」で有名ですね。ラテンアメリカのフォルクローレで用いられる民族楽器は、アルパやラテンハープ、インディアンハープなどと呼ばれますし、アイルランドやスコットランドにおいて9世紀頃に誕生したとされるのがアイリッシュハープで、アイルランドやイギリスなどの民謡を弾くときに使われていたハープです。
「千と千尋の神隠し」の主題歌で木村弓さんが歌の伴奏として弾いたライアーも同じ系統の楽器です。

ハープは、美しい音、女性的で優雅な演奏姿によって多くの人々を誘惑し続けてきました。あるホームページを見ると、オーケストラハープに向いている人は、「ロングスカートの好きな女性、グリッサンドがたまらなく好きな人、足先と指先が敏感で腕の長い人、柔らかな音色が好きな人。」などと書かれておりました。

このハープが活躍する管弦楽曲は本当にたくさんあります。
おかげで、ハープ奏者を備えていないアマチュアオーケストラにとっては実は悩みの種になるのです。
なぜかって、演奏家がまず見つかりにくく、また、お願いするときにはエキストラ代にハープ使用料や運搬費などが必要になるので、ベルリオーズの幻想交響曲のようにハープが2台必要な楽曲は、それだけで敬遠してしまいますね。

有名な曲はたくさんありますが、代表格は
チャイコフスキーのクルミ割り人形から「花のワルツ」のグリッサンドによるカデンツァ。波のうねりのような演奏はハーピスト冥利に尽きるといったところでしょう。
ベルリオーズの「幻想交響曲」は2台のハープによる掛け合いが非常に高レベルな曲です。
リムスキー=コルサコフの「シェヘラザード」でもハープが大活躍します。
それから、この間演奏したサンサーンスの「死の舞踏」の冒頭では、Myホルンがポ~~~ンと鳴るとハープが12回、ポン・ポン・ポン・・・・・と深夜12時の時を時を告げて曲が始まります。

ハープってやはり、すごく格好いい楽器ですよね。
でも、その姿とはうらはらに、足下ではえらく大変なペダル操作をしているのですよ。



 

 

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