「マエストロ、それはムリですよ・・・」という本を読みました。
市民オケのメンバーが「この本、面白いですよ」と貸してくれた本です。
山形交響楽団という楽団が、
飯盛範親さんという指揮者を音楽監督に迎えたことによって素晴らしいオーケストラに成長してゆく過程を描いたドキュメンタリー本です。
山形交響楽団というと1972年に
人口25万人のまちに生まれたプロオーケストラです。
ヨーロッパではこの規模のまちにプロオーケストラがあるのは当たり前ですが、
日本ではおそらく最も小さなまちにあるプロオーケストラでしょう。
まだこのオーケストラが生まれて間もない、私が学生の頃、このオーケストラのことを東京の人たちは
「形オケ」と呼んでいました。
山形の「形」とガタガタの「ガタ」をかけたどちらかというとバカにした呼び名だったのでしょう。
今では
「山響」と言うようですね。いや、失礼!地元の人は当時からそう呼んでいたのでしょう。
それにしてもどちらかというと「普通のオケ」いや「マイナーなオケ」が、指揮者のリーダーシップによってわが国でも有数の魅力あるオーケストラに変身するとは・・・驚きです。
飯盛さんが
「音楽家はサービス業だ」という信念のもとに山形交響楽団で実施したこと、例えば
演奏会でのプレトークや演奏後の観客との交流会などは、「練習時間に集まって・・演奏を合わせて・・さっさと帰ってゆく、演奏会でもステージで演奏・・終わったらさっさと帰ってゆく」これが当たり前の
プロオーケストラにとってはとっても新鮮だったでしょうね。
でもそれって良く考えてみると商売の世界では別にめずらしいことではありませんよね。
社長の手腕で発展する会社はいくらでもあります。
発展する会社は、社長のリーダーシップや先進的な発想と社員のやる気が満ちあふれています。
「お客様は神様です」・・・これって商売では当たり前!!
プロオーケストラの世界でそれができないのは、経営感覚のある指揮者がこの世の中に少ないのか、はたまた、社員である
オーケストラプレイヤー達が傲慢なのか?
九州交響楽団のスタッフに演奏会後の交流会のことを提案したのですが、アクロス福岡のロビーは狭いので難しいという回答でした。でも本当??「これはウソ!!」と直感的に思います。
事務局のスタッフがいくら考えても無理でしょうね。やりたいと思っている団員もいると思うけど、きっとそれも難しいのでしょうね。
若い世代から変えていってほしいものです。
きっと人気が出ますよ。
私はクラシック音楽をことさら大衆的にする必要はないと思っています。
子どもの頃から苦労に苦労を重ねた100人近い音楽家が一糸乱れぬ演奏を聴かせてくれる。
これほど贅沢な楽しみはありません。
でも、この「すごい人たち」がちょっとだけエンターティメントやサービス精神に目覚めて
素晴らしい才能と技を私たちにおしみなく見せてくれるならば
クラッシック音楽はもっともっと身近なものになるでしょうね。
えっらそうにしてるNHK交響楽団のさんなど、ぜ~~んぜん興味ありません。
日本の音楽家はなぜかこのタイプが多いのが残念です。
にはみなさんがそれぞれ思いつく名前を入れてみてください。
飯盛範親さんと山形交響楽団の今後ますますの発展をお祈り申し上げます。