九大百年 美術をめぐる物語

つぶやきホルン

2016年10月12日 22:39

私にとって、というか真隅家にとって、とても嬉しい展覧会が福岡県立美術館で開催されます。

九大百年 美術をめぐる物語 1911・・・・・2016
会期:2016年10月8日(土)~11月13日(日)
会場:福岡県立美術館(福岡市中央区天神5-2-1)
入場料:一般700円、高大生500円、小中生300円

私の祖父、真隅太荘は画家でした。
有名ではありませんが、大正から昭和にかけて福岡の美術の発展に力を尽くしました。
その祖父は、縁あって九州大学の農学部に標本画家として雇われ、ジャワの植物園にも勤務しました。
「九大百年 美術をめぐる物語」では、祖父が描いた数点の作品が展示されます。
特に面白いのが「九州帝国大学全景」です。
昭和4年ころ、今も残る旧工学部本館が新築された時に、祖父はその屋上の一番高い所に陣取って、そこから見える九州帝国大学のキャンパスの全景とはるかに見える福岡~糸島、粕屋、宇美などの景色を360度のパノラマとして描きました。よくぞここまで精密に描いたものだと感心する傑作です。
今は、九州大学伊都キャンパスの迎賓室に展示されていますので実物を見るのは難しい作品ですから是非この機会にご覧ください。
また、私がとても楽しみにしているのが、サテライト展示として同時開催される九州大学総合研究博物館の植物画の展示です。祖父のスケッチは私も数点は所蔵していますが、とても繊細で魅力的な絵です。洋画家よりも本人はむしろ日本画家を志していたと聞いたことがありますが、その本領発揮ともいえる植物画が展示されている可能性が高く、是非とも見たいと思っています。

真隅太荘(1893年~1972年)
福岡県粕屋郡志賀島に生まれる。
1909年(明治42年)上京、太平洋画会に入り、中村不折、吉田博、石井柏亭らの指導を受ける。
この間帰郷し、浜哲雄らと1912年アカシア会を結成。1922年黒田長政公三百年記念美術展に出品。この機に結成された福岡美術会で庄野伊輔らとともに評議員を務め、同会の展覧会に出品を続ける。
翌年から九州帝国大学農学部にて描画に従事。1931年第18回二科展に初入選、以後出品を重ねる。1940年福岡県美術協会創設に参加。1943年からジャワの植物園に勤務したという。戦後は1949年県美術協会の再興に加わる。(「大濠美術館ものがたり(平成19年福岡市美術館)」図録より)

祖父の作品は、福岡県立美術館と福岡市立美術館に所蔵されています。
今回の展覧会では、県立美術館の所蔵作品、私が貸し出した作品、九州大学所蔵の作品などが展示されています。






関連記事