2010年04月30日
もののけ姫の「こだま」??
4月23日、博多駅で8時15分発のリレーつばめに乗車して鹿児島中央駅で九州新幹線を10時33分に下車。
JR九州ホテル鹿児島に荷物を預けて、南国交通バスに乗車して約40分。
鹿児島市吉野町の菖蒲谷バス停で下車した私たちGAPの10人は、今回の旅の目的地である「障害者支援センター〈SHOBU STYLE〉」に到着しました。
アート、デザイン、音楽によって、人々に元気を与え、そして私たちも元気をいただく活動を行ってきた元気アートプロジェクト“GAP”
障害福祉サービス事業所「工房まる」の皆さんと知り合い、そしてこの度は念願かなって鹿児島市にある「しょうぶ学園」を訪問することができました。
なんでわざわざ鹿児島市まで??私にも最初はよく分かりませんでした。
別にGAPで障害者支援活動をやっているわけでもありませんしね。
とりあえず、好奇心ってやつですね。
でも私、「好奇心」っていうのは本当に大切だと思っています。
新しいことってのは好奇心から生まれます。
これに「こだわり」なんてのが加わると、
実に創造的な世界が広がってきます。
GAPの仲間を見ているとどうもこの2文字が共通項のような気がしてなりません。
この二つの感性を惹き付けたのが〈SHOBU STYLE〉の活動だったのです。
〈SHOBU STYLE〉の利用者は、50人ほどの入所者と70人ほどの通所者。
様々なケアサポートを受けながら生活しています。
〈SHOBU STYLE〉は1973年に「しょうぶ学園」として開設され、多くの施設で行っているような、木工製品や布製品などの生産にかかる単純作業を下請けで行っていました。
しかし、知的障害を持つ利用者の独特の感性に気づいた施設長の福森さんが、「工房しょうぶ」を開設し新たな活動をスタート。創造的な福祉事業の可能性への挑戦を続けているのです。
私たちを迎えてくれたSHOBUキャンパスのアプローチは、豊かな緑とすがすがしさに包まれたとてもやさしい空間でした。
感性豊かなGAPメンバーは、この空間を見ただけできっと「ビビッ!!」とくるものがあったにちがいありません。
SHOBUのキャンパスは、アプローチ沿いから芝生広場を中心とした空間を取り囲むように、とてもかわいらしい素敵な建物たちが並んでいました。
入所支援施設やデイサービスセンターなど障害者施設の基本となる建物はすべてが曲線による構造になっています。自然光の取り入れ、見通し、安心感、安全性など多くの配慮の結果のようですが、これだけでも本当にやさしい空間づくりにつながってます。
工房しょうぶは「布の工房」「木の工房」「土の工房」「和紙の工房」「食の工房」「音楽教室」などがあります。
それぞれの施設で、たくさんの利用者達が、「黙々と」それぞれ全く違う創作活動に取り組んでいる姿をじっくりと拝見させていただきました。
「布の工房」では、もくもくと刺繍に取り組む姿に出会いました。
一針一針こつこつと作り上げていく人、大胆かつカラフルな糸使いでボリューム感のある作品を作る人、一人として同じ作風の人はいません。とってもオリジナルです。
これらの作品は「nuiproject」として高い評価を得ているそうです。
「木の工房」では、ひたすら大きな板をトンカチでたたいて跡形をつけたり、ノミで傷をつけ続ける人。こつこつとノミで掘り続ける人。
みんな楽しそうに活き活きと仕事をしている様子が伝わってきます。
この工房は本格的な木工設備を備えており、器やオリジナルな家具の制作までも行っているそうです。
「土の工房」は私の興味をもっとも惹き付けました。
粘土細工はおそらく最もストレートに彼らの才能を表現できるのではないでしょうか。
思ったものを形にする。
その形が意味するところは正直、私たち普通の人にはなかなか理解できません。
生涯、粘土の玉を作り続ける人もいます。
にょろにょろした形を作ってはくっつけて作品にしていく人もいます。
工房の外に雑然とおいてある作品達を見て唖然としました。
これって宮崎駿夫のアニメに出てくるキャラクターそっくりじゃん??
もののけ姫の「こだま」「たたり神」・・・宮崎駿夫さんはしょうぶ園に来てたりして??
「和紙の工房」では、手漉き和紙で名詞をつくっていました。
とっても自慢げに作業を説明してくれた「おっちゃん」が忘れられません。
実は彼は音のパフォーマンスですばらしい太鼓を披露します。
この模様は、イムズでのパフォーマンス編で乞うご期待です。
その他、和紙の座布団やちょっと変わった模様を描いた和紙の手提げ袋や手帳なども作られていました。
「食の工房」は残念ながら作業が終了していて見ることができませんでしたが、作品であるパンは、到着してまずは腹ごしらえをした、カフェ&パスタOtafukuでいただきました。とってもおいしかったので買って帰ろうと思ったのですが生憎売り切れでした。
SHOBUのキャンパスは、地域の人々に開放しているのも特徴です。
カフェ&パスタOtafukuのパスタはなかなかの味わいで、おそらく地域の人々にも人気なのではないかと思います。
これがブログか?というくらい長々と書いてしまいましたが、〈SHOBU STYLE〉の挑戦的な活動と今回味わった感動は、こんな短い文章?では書き切れませんのでそろそろあきらめます。
最後に、施設長の福森さんは、「障害者は健常者よりも下にある者」「障害者を訓練して健常者に少しでも近づける」「障害者は哀れみの対象」など世間の感覚・常識をベースとした国の施策と真っ向から戦っています。
この感性豊かなSHOBUキャンパスの環境とスタッフに守られながら のびのびと生活する利用者達の活き活きとした笑顔と真剣な表情に出会えて本当に素晴らしい体験をさせていただきました。
この2日後には、福岡のイムズで彼らの演奏が行われることを知り、25日に聴きにいきましたが、その模様は次のブログで紹介しましょう。
施設長の福森さん、副施設長の奥様
本当にお疲れさまです。
素晴らしい皆さんのために今後とも力を尽くしてください。
ありがとうございました。
Posted by つぶやきホルン at 23:00│Comments(0)
│元気アート2010