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2009年07月26日

ワーグナーチューバ

ワーグナーチューバ

「つぶやきホルン」ではこれまで色々なオーケストラの楽器を紹介してきました。
しかし、ワーグナーチューバは紹介できませんでした。
なぜなら、この間の演奏会でブルックナーの第7番を演奏するまで実物を触ったことがなかったからです。

この楽器は、ワーグナーが楽劇『ニーベルングの指環』のために、新たな音色を求めて考案したものです。

名前はチューバですが、実際にはホルンのマウスピースをつかって、ホルン奏者が演奏します。
音色も、音域もチューバと言うよりはホルンに近いものです。
とは言え、その特徴は何と言っても森の奥から聞こえてくるような深い音色
この音色には、さすがにチューバもホルンもかないません。
ワーグナーさんが作曲しながら「こんな音がほしい~~!!」
と悩む様子が目に浮かぶようですね。
まさにホルンとチューバの“ハイブリッド”と言える楽器なのです。

でも、そんなかっこいい楽器が何で普及しなかったのでしょうか?
恐らくそれはこの楽器の不完全さにあるのでは。
実はこの楽器の演奏は困難を極めます。
とにかく音程をとるのが超難しいのです。
私も始めて吹いてみましたが、まずどうやって持っていいのか分からない
というか、極めて不安定です。
それに、ホルンのようにベルに右手を突っ込んで音程を上下することもできません。
結局、唇で調整するしかないのです。
とってもとっても不器用な楽器と言えますね。

ですから、ワーグナーチューバを使う曲は非常に少なく、ワーグナーの『ニーベルングの指環』の他、ブルックナーの第7番・第8番・第9番の交響曲、リヒャルト・シュトラウスのアルプス交響曲、ストラヴィンスキーの『火の鳥』や『春の祭典』などで使われているくらいです。

ブルックナーが多くの曲に使っているのは、やはりワーグナーへの尊敬の表れでしょうか。face06

ワーグナーチューバ


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Posted by つぶやきホルン at 21:57│Comments(0)オーケストラの楽器
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